京都「京大生が語る勉強のコツ」、長期記憶の作り方

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長期記憶の作り方

長記憶の作り方

知識は、使えるかたちで覚えていないと、テスト本番では役に立ちません。「記憶すること」は勉強において避けられない部分です。「暗記が苦手」と相談しに来る生徒も少なくありませんが、効率的に暗記する方法はあるのでしょうか。

~ヒトは忘れる生き物である~

大前提として、ヒトの脳は基本的に「忘れる」ように出来ています。覚えていられるものは、脳が「大事ですよ」と判断したもの=「生きていくのに不可欠」と判断したもの(「このにおいがするものを食べると死ぬ」とか)だけなのです。

なので、本来生存に必要のない英単語や数学の公式を覚えるためには、脳を騙さないといけません。騙して「これは大事!」と判断してもらわないといけない。その騙すのに必要なのが反復=復習なのです。

~繰り返し使った記憶 = 脳にとって大事 = 忘れない~

では効率よく「騙す」にはどうすればいいか。脳は「繰り返し使った知識=大事!」と考えます。「使った」の部分がポイントで、次のような実験があります*。
*The Critical Importance of Retrieval for Learning. Science 319, 966-968
スワヒリ語(アフリカ東岸部の言語)の単語を40個覚えてもらってテストをします。当然、知らない単語を40個も一気に覚えられないので、「暗記し直す→再テストをする」を満点が取れるまで繰り返しますが、その際、暗記方法・テスト方法で被験者を4パターンに分けます。

暗記し直す単語テストする単語
グループ1すべての単語すべての単語
グループ2間違えた単語のみすべての単語
グループ3すべての単語間違えた単語のみ
グループ4間違えた単語のみ間違えた単語のみ

グループ1は、40個全てを覚え直し、40個全てをテスト
グループ2は、間違えた単語のみを覚え直し、40個全てをテスト
グループ3は、40個全てを覚え直し、間違えた単語のみをテスト
グループ4は、間違えた単語のみを覚え直し、間違えた単語のみをテスト
(↑生徒諸君はこのグループ4の方法で勉強する子が多いと思います)

まず、満点を取れるまでの回数はどれが一番少ないか。これは意外とどのグループも差がありません。「それなら、一番手間が掛からない効率がいいのはグループ4だ!」と思いきや、1週間後に再テストをすると、正答率はグループ1,2が80%を超えていたのに対して、グループ3,4は40%を切るのです。(図 左からグループ1,2,3,4)

表

ここで1,2と3,4の違いは、テストによってアウトプットをしているかどうか。脳は「繰り返し使った知識=大事な知識」と判断します。すぐ覚えられた単語も繰り返しテストすることで、脳が大事と判断して、長期的な記憶になったのです。

これを普段の勉強に落とし込むと、教科書や単語帳を眺めている(=インプットする)だけではダメで、声に出したり、書いたり、実際に問題を解いたり、その知識を使う(=アウトプットする)ことをしないと脳を騙せないということになります。「繰り返しインプットする」だけでは効率が良くないのです。

結論:「覚える」ためには「覚えるだけ」「見ながら書くだけ」ではダメ!
○○○○○○を繰り返すことが大事!

 (↑空欄に入る言葉を、脳から【アウトプット】してください)

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